親戚のおばちゃんは涙もろい

春である。
春になると久しぶりに友達と会ったりする。
受験生の親って自らも遊ぶの遠慮したりして一時的に疎遠になったりしがちなもので。
春はどんな結果であろうが解放的になる人が多いような気がする。
そんな時、友達の子供やいとこの子供をたまに見ると記憶より大きくなってて驚くことがある。
よくある。
そんな感覚をこの舞台でも味わった。

高校生による演劇公演「ハムレット」
姫路市出身の演劇プロデューサー笹部博司さんと姫路・西播磨の高校生が作り上げる舞台企画第3弾。
初参加のメンバーももちろんいるのだが、3回目という顔ぶれもいる。
「1年生だったあの子がもう卒業かぁ」と勝手にしみじみしたり、
「わぁ、去年と全く違う役なのにはまってる!」
など何年か追いかけてると別の楽しみもある。
毎年の恒例行事のように感じていて、気分的にはもう5回目くらいな感覚。

さて、「ハムレット」。実は舞台を見るのは初めてだった。
粗筋も実は「マクベス」とか「リア王」とかあの辺りは私の頭の中でごちゃごちゃ。
ということで改めて確認してみよう。
主人公は王子ハムレット。
父親が亡くなって間もないのに母親が再婚したのが気にくわない。
その相手が父親の弟というのがそれに拍車をかける。
そんな時に城に毎夜父親の亡霊が出ると聞き会いに行くと亡霊は自らの死の真相を語り出す。
自分は殺された。犯人は弟。復讐するのだ!
ハムレットはその夜から周りを欺き狂気を装いながら復讐の機会を待つが…
てなストーリー。
なんだかよく聞く粗筋だなぁと思った後で「あ、コレを元に後世のみんなが真似て書いてるんだ」
と気がつくワタクシ…お恥ずかしい。

「お気に召すまま」「関西弁マクベス」そして今回の「ハムレット」とシェイクスピア作品に取り組んできた彼ら。
いやホントに大変だと思う。橋田壽賀子作品は長台詞だけどまだ現代語だし意味も理解しやすいだろう。
でもシェイクスピアはまず元々が日本じゃないし現代でもない。
世界観というか歴史というかそこの理解から始めないといけない。
さらに舞台セットに頼れないところも。素の舞台だけなのだ。せいぜい椅子らしきものがあるくらい。
でもかえってそれが想像の助けになったりするかもしれない。
そこは王妃の寝室にもなるし、廊下にもなり、墓場にも、大臣の家にも、城の大広間にもなる。
あまり違和感が無かったのは演出のうまさなのか私の想像力が素晴らしいのか(笑)
そうそう、衣装はやりすぎず、かと言って地味でもなく、各人の区別もつく感じ。
なんせ登場人物が多いので工夫してもらわないとややこしくて…。だから有り難かった。

悲劇。でも感涙ものではない。しみじみと、ああ、死ななくてもいい人が…あああ。
とかは思うのだが。
泣くのはカーテンコールなのだ、いつも。
長丁場(なんと2時間30分?くらいあった)で動きや歌を合わせ台詞を飛ばさず、感情をコントロールし、
それを2日間で3回やり遂げた瞬間の気持ちは私には想像もできないけれど
見守った大人スタッフの皆さまの気持ちも含め、親戚のおばちゃん状態の私は
やり切ったみんなの泣き顔のような笑顔を見るだけでウルウルくるのだ。

来年はシェイクスピア作品ではなく辻村深月「かがみの孤城」に挑戦するらしい。
今度はどんな顔を見せてくれるのか…
親戚のおばちゃんは今から公演日である3月28日(土)・29日(日)を心待ちにしている。

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