先日、わが敬愛するライターTさんから
「ね、ね、観に行きません?もうチケット買ってます?」
と熱いお誘いを受けた。
おまけに車での送迎もしてくれるという贅沢仕様。

で拝見したのが

宍粟市山崎文化会館で7月13日に上演された

富良野GROUPの舞台『歸國』

実は、チラシが結構おどろおどろしくて、おまけに事前に読んだあらすじが
「終戦記念日の深夜、静まり返った東京駅のホームにダイヤには記されていない一台の軍用列車が到着した。そこに乗っていたのは、六十余年前のあの戦争中南の海で玉砕しそのまま海に沈んだ英霊達。」
って書いてあったもんだから、怖がりのツクモは正直二の足を踏んでいた。

が、

観に行って本当に良かった。
いつものことながらライターTさんに感謝である。

予想に反して、相当笑いのシーンが多かった。
そしてボロンボロンに泣いた。
ハンカチで涙を拭くのが間に合わず、首まで伝う涙…。
もともと肉親の死はそれだけで弱いけど

誰でも一度は
「死んだらどうなるんだろう」とか「死んだら何を考えるんだろう」とか
想像すると思うのだが、
私の想像していたものとはちょっと雰囲気の違う幽霊さんたちが出てくるのだ。
皆様はどうなんだろか。

「人は二度死ぬ」
という言葉が出てくる。
一度目は肉体的に死んだとき。二度目は忘れ去られたとき。

…そんなこと言われると最近物覚え悪いけど頑張らなきゃって思うやんか。

でもこの舞台の幽霊たちを見ていると、真面目に本当に忘れちゃいけないと思えてくる。
哀しい生き方しかできなかった彼らを。
ああ、特に哀しかったのは検閲の役目に当たってしまったばかりに苦しい思いをした彼。
みんなみんな苦しい

富良野GROUPといえば「北の国から」でおなじみ倉本聰さんの富良野塾卒業生がさらに研鑽を重ねている、っていう劇団。
今回の舞台でも「鍛えている」感がよくわかるシーンがいくつかあった。
個人的にはその内のひとつふたつはも少しあっさりした方が私好みだけど。

好みといえば、この舞台。考えられるエンディングのタイミングが3回ほどあって。
たたみかける、というのかな。
これは好き好きあるかもしれない。
私は海の中で終わるのが好きだ。海の底からの音が聞こえそうだった。

さて、涙涙でホールを出てきたら、なんとロビーに倉本聰さんがいらした。
舞台にもちらりと挨拶に出ておられたが、まさかこんな近くでお会いできるとは。
ライターTさんを待たせて行列に並び、サインをいただくことにした。
待ってる間、「気まぐれ日曜日の津雲です」と言おう、とかいろいろ考えていたのだが
いざその時がくると、やはりツクモは凡人だった。
「ありがとうございました。姫路のラジオ局の者です。どうぞ姫路にも来て下さい」
しか言えなかった…。
え?充分?…そうかなあ。もっといろいろ言いたかったんだけど。

そしたらサラサラとサインを書きながら倉本さんは
「ああ、姫路?ぼく姫路に泊まってここに来てるんだけど」
と言われたのだった!!
「あ。そうなんですか… え?え?ああ、え?あ、ありがとうございます!」
凡人ツクモはここまでだった。
頭の中では「倉本聰 姫路泊」のゴシック体のテロップが縦に流れていった。

そのパンフレットとサインが↓コレである。
有り難う、ライターTさん。