最近「舞台鑑賞記録を残そう」と気まぐれに思いつき
つらつらと書いているが
番組にうまい具合に反映されていないというのが辛いところ。
ま、それがこの番組らしさっちゃらしさではある。

この間、「GENKIごきげんサテライト」のパーソナリティ
杉山ひろこさんが熱く舞台紹介をしていて
「これは観に行かねば!」という気にさせられて行ってきたのが

「舞台版 千年女優」
今 敏監督のアニメ「千年女優」を
神戸の女優オンリーの劇団「TAKE IT EASY」が
演出家 末満健一と作り上げた話題作の再演。

再演ツアーの最後の最後
大阪のシアタードラマシティで5月11日に上演されたものを観た。

アニメ「千年女…」と聞くと「千年女王」が出てきてしまうワタクシなんであるが
アニメ「千年女優」は残念ながら見たことがない。
インターネット上でも「最後のひと言」について賛否両論巻き起こった話題作。
ただ、シーンとシーンのつなぎ方が美しいとか作品全体は評価の高い映画だと聞いている。
その舞台化。

「舞台でやれるわけがないでしょう」
と言われていたんだそうだ。
そのへんもアニメを見ていないからなんとも言えないから、
「舞台を観る前に原作を見ておくべきかなあ」ともちらりと思った。
ま、結局見ずに舞台にのぞむことになったのはいかにもツクモ…ではある。

さてさて開演前、舞台には幕はなくて、白い舞台に白い布が5枚広がっていた。
その布が、開いた花びらが閉じるように立ち上がる。
蓮をイメージしているらしい。
蓮は主人公である大女優千代子の好きな花、輪廻を感じる。
この布の花が役者を包み、隠し、あらゆる場面を形作っていく。
とにかく舞台は白くて、衣装も全員全身白い。
小道具も白い眼鏡白い帽子白いイス白い剣白い糸車…

そんな白の世界。

ストーリーは
往年の名女優千代子のもとへインタビュアーとカメラマンが訪れるところから始まる。
インタビュアー立花が千代子に渡した品、それは一本の鍵。
その鍵を手にした千代子の回想は
彼女が出演した映画のストーリーと切れ目なく繋がり
現実と行きつ戻りつインタビュアー2人を巻き込みながら
時空を超えて展開していく。

舞台に出るのは5人の女優。
この5人で数え切れないくらいの登場人物(時には人ではなく本棚などのモノも)を演じていく為に
基本の配役はあるものの、主役の千代子ですら演者が芝居中に交代していく。
普通は観ている方がわからなくなる。
が、うまいことにわかるようにしてくれている。
演技のうまさでもあるけれど演出のうまさでもある。
その1つが小道具
「帽子をかぶっている人はインタビュアーの立花」
「眼鏡をかけているのはカメラマンの井田」
「手袋をしているのがライバル女優の詠子」
「剣をもっているのが「傷の男」」
という具合に誰が演っていても「その役」だとわかるようにヒントをくれるのだ。
ゲームに参加しているようで配役がクルクル替わるのも楽しくなってくる。

参加している…というと音もその一翼を担っているかもしれない。
例えばテーブルにお茶を置く音ひとつにしても小さなかすかな音がすごく近くで聞こえる。
もちろん遠くの大きい音はそんな距離感がわかる音で。

視覚、聴覚、あといろんな感覚を刺激される。
この間の「焼肉ドラゴン」が感情を揺さぶられる舞台というならば
この「千年女優」は感覚を揺さぶられる舞台。
観ている間、とてもとても楽しかった。

さて、最後のひと言 というのは舞台でもあったのだが、
私はニヤリとさせられた。
アリ、だ。
また観たいなあ、いくつか確認したい細かいところがあるし。