まだ記憶も新しい台風の襲来。
2年に1度のお楽しみなのに台風がぶつかってしまうなんて…
と9月3日嘆きながら行ったのは
「山崎八幡神社奉納 薪能」
一昨年の前回から個人的に影ナレ(舞台には上がらずに演目などをアナウンスする役)を仰せつかってお邪魔しているのだが
今回は残念ながらしそう市山崎文化会館での開催になった。
警報が出ている中での開催だったので、二部構成の内、一部の宍粟謡曲同好会の皆さんの演目は割愛されたものも多かった。
その中には、夏休みに行われたこども能楽教室もあって、一生懸命練習しただろうに、ご披露の舞台がなかったのは残念。
どこかで何かの機会が設けられるといいな。

そして二部。
薪能はプロの能楽師さんの舞台を本当に間近にそして気軽に観ることができるので、いつもとても楽しみにしている。
が、今回はホールで、私は影ナレ担当。舞台下手に机があったので、
間近どころか直近で、気軽に観るどころではなかった。
舞台裏、あの揚げ幕の向こうの空気はこんなにも違うものなのかと胃が苦しくなった。

一部、同好会の皆さんの舞台でも同じ場所、同じ能舞台を使ったのに、
雰囲気というか、空気としか言いようがないけれど、そこに漂っているものが違う。
別の空間にいるみたいで不思議な感覚だった。

そして、役者さんにとっては当たり前なのかもしれないけれど、私が驚いたのは、
揚げ幕の内側に入っても舞台上で曲が続いている内は役が続いているということ。
曲が終わった瞬間、何かから解き放たれたように「現世」に戻ってこられたのを感じた。
同時に、舞台袖にいる袴姿の皆様の緊張もほどける。
この緊張と弛緩が実に心地よかった!
台風で会場が変わり、お客さんも正直少なかったけれど、
私にとっては胃がぎゅうううっと背筋がぎゅいーっとなる、通常では得難い経験をすることができた美味しい幕の内舞台鑑賞だった。

観世流 能 千手(せんじゅ)
大蔵流狂言 寝音曲(ねおんぎょく)
観世流 半能 融(とおる)