最近、徹夜した後の体力回復に時間がかかる津雲です。
舞台鑑賞日記をちょっと溜めてました。

8月27日(土)姫路キャスパホールで
第18回キャスパ能・狂言を観てきました。
今回はその前に…
能・狂言さいしょの一歩特別篇 成田美名子「花よりも花の如く」講演会も。
成田美名子さんと言えば「エイリアン通り」とか「CIPHER」などでおなじみの漫画家さん。
美麗な青年を描いて我々読者をうっとりとさせる名人なんであるが、その成田センセが能楽師さんを主人公にした漫画「花よりも花の如く」を描かれているのをご存知だろうか。
数年前、姉が友人から借りてきたこの作品を読んでえらく感激したのを覚えている。
でもって当時、姫路の能楽師江崎敬三さんに番組をやっていただいてたので、収録時にその感激をべらべらと語りまくった記憶もある。

その成田さんである。非常に楽しみにしていた。
結構早めにチケットもとったつもり…なのだけど。
能舞台で話されるのだ。
成田センセと観世流シテ方長山耕三さんと観世流大鼓方守家由訓さんと3人で、正座して。
能舞台には柱が立っている。
高さ1メートルくらいだとは思うけど、これがあるためにお姿が見えにくいんである。
柱のことなんてチケットとる時にはこれっぽっちも頭になかった。
ま、いろいろ動いてくださったので全然見えないということはなかったのでいいか。
成田センセは派手すぎず地味すぎずの趣味のいいお着物だった。

しっかし…、成田センセのお話も面白かったが、能楽師さんはみんなお話がうまい。
長山さんも守家さんもエピソードをたくさんお持ちで、それを説明し慣れているというか。
思うに、能楽という芸能が敬遠されている状況を憂いて、なんとか実は面白いものだと知ってほしいが為に繰り返し繰り返し様々な場面でお話されているのではなかろうか。
こういう機会があると、その後の能もだけれど次回次々回の能も楽しみになってくるし、やっぱりいい企画だよなあ。

ちょっとお茶をして、引き続きキャスパ能・狂言。
ここでも解説があって、羽衣の装束の着付を舞台上で。
今まで何回か「羽衣」は観たことがあったけれど、あの肌色の装束が裸を意味しているなんて知らなかったのでちょっと驚き。
失礼ながらオジサマ…が髪蔓をつけて面をつけると美しい天女になってしまう瞬間を垣間見て不思議な気持ちに。
仕舞、休憩をはさんで能「土蜘蛛」
蜘蛛の精には観世流シテ方吉井基晴さん。今回は黒頭という荒々しい面。
蜘蛛を退治する独武者には福王流ワキ方江崎金治郎さん。従者には敬三さんも。
「土蜘蛛」は去年の姫路城薪能でご覧になった方も多いかな。
蜘蛛の精がぶしゃーっぶしゃーっと糸を繰り出すのがめっちゃ楽しい派手派手能で
津雲お気に入りのひとつなんである。
薪能では風でたなびいている様が蜘蛛の糸感をさらに高めていたけれど
今回はホールの中。どうなるだろうかと糸の違いに注目していた(え?なんか目のつけどころが間違ってる?)
この度の糸は蜘蛛の巣に引っかかった時って、こんな感じだよなっていう糸だった。
蜘蛛の精に切りかかる武者たちに容赦なく糸がまとわりつき、いかにも動きにくそう。
蜘蛛を退治して帰っていく武者たちには最後まで糸がからまっていた。
間狂言の「ササガニ」(蜘蛛の枕詞が「ささがに」なんだそうだ)も茂山宗彦さん茂山逸平さんが面をつけててお顔が拝めなかったのが残念だったけどお茶目で楽しかったし
今回は大満足。
ホントのところはこの能ができた背景を考えるとただ楽しんでいるだけではいけないのかもしれないけれど、
でもまずは楽しんで、そこから興味の度合いに合わせてバックグラウンドの知識を広げていくのがいいと今の私は思う。

ゲンキのお天気カメラ「ゲンキくん」のレンズには蜘蛛の糸がゆらゆらと映ってたりしてそれを見つける度になんだかミニ土蜘蛛を想像してしまう最近の私。